カノニカル(canonical)タグ

カノニカルタグはSEOにおいて欠かせない機能で、同じ内容のページが複数ある場合に正規のページを検索エンジンに伝えることができます。

この記事では、カノニカルタグの基本的な知識と使い方、メリットとデメリット、トラブルシューティングの方法をわかりやすく解説します。

SEO影響度導入し易さ重要度
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カトさん@SEOのプロ
カトさん

カトさん@PV1億のSEOプロ

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某渋谷サイバー系SEO会社でSEOコンサル→某外資グローバル企業でSEOマネージャー→独立、現在はSEOコンサルと実店舗ビジネスで事業展開中

目次

カノニカルタグとは

カノニカルタグとは、rel=”canonical”という属性を持つlinkタグのことです。このタグは<head>タグ内に記述します。例えば、以下のように書くことで、このページが正規のページであることを示すことができます。

<link rel=“canonical” href=“https://wp1seo.com/seo/canonical/”>

「正規化」とも呼ばれる

カノニカルは正規化とも呼ばれます。「重複ページを正規化する」、「ページ送りの2ページ目以降を正規化する」とは、「カノニカルタグを使って、複数のページにまたがるSEO的な評価を特定の1ページに集約する」と、同義になります。

カノニカルタグの仕組み

カノニカルタグのイメージとしては、検索エンジンに対して以下のようなお願いをすると例えることができます。

「Googleさん、このページの正式なページは、カノニカルタグが指示するURLです」
(=このページのSEOパワーは、カノニカルタグが指示するURLに集約してください)

これにより、検索エンジンは正規のページを認識し、それ以外の同じ内容のページはインデックスやランキングから除外します。また、正規のページに向けられたリンクの価値や影響力をすべて正規のページに集約します。

カノニカルタグが必要なケース

カノニカルタグが必要なケースは、同じ内容のページが複数存在する場合です。例えば、以下のようなケースです。

  • URLパラメータやセッションIDなどでページが変化する場合
  • ページネーションやソート機能などでページが分割される場合
  • ドメインやプロトコルなどでページが異なる場合

これらのケースでは、検索エンジンは同じ内容のページを重複コンテンツと判断し、インデックスやランキングに影響を与える可能性があります。そのため、カノニカルタグを使って正規のページを明示することが推奨されます。

カノニカルタグのメリットとデメリット

カノニカルタグは便利な機能ですが、メリットとデメリットがあります。以下では、それぞれを紹介します。

カノニカルタグのメリット

カノニカルタグのメリットは、以下の3つです。

  • 重複コンテンツの問題を解決する
  • クロール効率を向上させる
  • リンクジュースを集約する

これらのメリットは、前述した通りです。重複コンテンツの問題を解決することで、インデックスやランキングの無駄や分散を防ぎます。クロール効率を向上させることで、サイト内のページが検索エンジンに認識されやすくなります。リンクジュースを集約することで、正規のページのリンクジュースが増え、ランキングが向上します。

カノニカルタグのデメリット

カノニカルタグのデメリットは、以下の2つです。

  • 設定ミスがあると逆効果になる
  • 検索エンジンは無視する場合もある

設定ミス

カノニカルタグが不適切なページを指定している場合です。この場合、意図しないページがインデックスやランキングに影響を受けたり、意図したページがインデックスやランキングから除外されたりする可能性があります。また、ユーザーが望まないページにリダイレクトされたりする可能性もあります。

検索エンジンは無視する場合もある

カノニカルタグはあくまで検索エンジンに対する提案であり、強制ではないことです。検索エンジンはカノニカルタグを参考にしますが、必ずしもそれに従うとは限りません。検索エンジンは自らの判断で正規のページを決めることがあります。その場合、カノニカルタグの設定と異なる結果になる可能性があります。

カノニカルタグのトラブルシューティング

カノニカルタグの設定に問題があると思われる場合は、以下のようなトラブルシューティングを行うことができます。

カノニカルタグの設定を確認する

カノニカルタグの設定を確認する方法は、以下の2つです。

  • ソースコードを見る
  • 検索コンソールを使う

ソースコード

ソースコードを見る方法は、ブラウザでページを開き、右クリックして「ページのソースを表示」を選択する方法です。そうすると、<head>タグ内に<link rel=“canonical” href=“…”>という記述があるかどうかを確認できます。

また、href属性に正規のページのURLが記述されているかどうかも確認できます。

サーチコンソール

サーチコンソールでは、サイト内のページのインデックスやランキングなどの状況を確認できます。また、カノニカルタグの設定も確認できます。

例えば、Googleサーチコンソールでは、「URL検査」でページのURLを入力すると、「正規化されたURL」として表示されるURLが正規のページです。このURLがカノニカルタグで指定したURLと一致しているかどうかを確認できます。

Googleサーチコンソール「URL検査」でカノニカルタグを確認する方法
Googleサーチコンソール「URL検査」でカノニカルタグを確認する方法

ページネーション2ページ目以降のカノニカルタグの入れ方

ページネーションの1ページ目と2ページ目は別のコンテンツですが、サイトの規模やサイトの種類などによって最適解は異なります。

ページネーションのUI
ページネーション2ページ目以降のカノニカルタグ

2ページ目以降の取り扱いは、以下を参考にしてください。

サイト全体のページ数が少ない場合

対象サイトの例

小規模サイト(数百ページ以下)

  • 個人サイト
  • ブログ
  • コーポレートサイト

この場合のページネーション2ページ目以降は↓

何もしない

サイト全体のページ数が多い場合(データベース型コンテンツ)

対象サイトの例

中規模程度のサイト(数千~数万ページ以下)

  • メディアサイト(データベース型)
  • 各種ポータルサイト(データベース型)
  • 小規模のEC

この規模のサイトからは、ページネーションの取り扱いに注意が必要です。この場合のページネーション2ページ目以降は↓

1ページ目にcanonical

サイト全体のページ数が多い場合(記事型コンテンツ)

対象サイトの例

中規模程度のサイト(数千~数万ページ以下)

  • メディアサイト(記事型)
  • 記事の並び替え機能が無いサイト
  • 検索が重要な機能として組み込まれていないサイト
  • WordPressにおいて並び替え・検索機能を実装していないサイト

この場合のページネーション2ページ目以降は↓

自己参照canonical

大規模サイトの場合

対象サイトの例

大規模サイト(数万~数百万ページ以上)

  • 大型EC
  • 全国規模のデータベースサイト
  • 検索が重要な機能として組み込まれているサイト
  • 記事一覧の並び替え・検索機能を実装してるサイト

この規模のサイトでは、クロールバジェット、インデックス数の限界などを考慮した場合、他の規模とは比べ物にならないほど慎重にページネーションを取り扱います。

大規模サイトのページネーション2ページ目以降は、クロールバジェット節約のためにnoindexにします。したがって↓

noindexにするのでcanonicalは必要無し

まとめ

カノニカルタグは、以下のようなポイントを押さえることができれば、簡単に設定できる機能です。

  • カノニカルタグは<head>タグ内に<link rel=“canonical” href=“…”>という記述で設定する
  • カノニカルタグは正規のページの完全なURLをhref属性に記述する
  • カノニカルタグは同じ内容のページが複数存在する場合に必要である
  • カノニカルタグは重複コンテンツの問題を解決し、クロール効率やリンクジュースを向上させるメリットがある
  • カノニカルタグは設定ミスがあると逆効果になるデメリットがある
  • カノニカルタグはソースコードや検索コンソールで確認し、必要に応じて修正する

カノニカルタグを正しく使うことで、サイトのSEOパフォーマンスを向上させることができます。ぜひ参考にしてみてください。

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